新しい博多土産の
定番を目指して
平山 静 さん
博多運盛 店主
博多運盛、というお店を始めたきっかけを教えてください
「人にあげたいお菓子」というコンセプトで、2014年の12月1日にオープンしました。もともと私は下川端の商家の娘で、祖父も父親も町総代を務めていたという環境だったため、この博多川端エリアへの思い入れがとても強かったんです。実家だったレコード店は再開発で無くなってしまったのですが、その後もずっと「生まれ育った町から、何か新しいことを発信できないか」と考えていました。それで、博多らしくもあり、ちょっと小洒落ていて気の利いたお土産菓子を作りたいと思うようになりました。
昔、“博多には安泰を祈る縁起担ぎやしきたりが、今も息づいている”、というコマーシャルがありましたけど、まさに博多は縁起担ぎの土地ですよね。ですので、それと結びつけた縁起物のお菓子があればきっといろんな人に喜んでいただけるのではないかと。それで“運盛り”という、本来は冬至の時期に行う、“ん(運)”のつく野菜を食べて縁起を担ぐ慣わしを元にすることを決めました。
苦労されたのはどんなところですか?
“ん(運)”のつく野菜を使ったお菓子を作ろう、と決めたは良いものの、私自身がお菓子を作れるわけではないので協力していただく人を探すところから始まったことです。現在、国産野菜で作った8種類の野菜餡を使った「運盛饅頭」と、ミニサイズのどら焼き「うんどら」がメインの商品なのですが、そもそも和菓子として野菜を使った餡を作るのはとても難しいものだったらしく開発当初は試行錯誤の連続でした。でも、おかげさまでとても美味しいものが出来上がったと思います。
博多川端はどういう地域だと思いますか?
とにかく、博多川端の方はあたたかいですね。毎日店にいると、本当に楽しいし、ありがたいと思うことばかりです。生まれ育ちがこの近辺なので昔の私を知っている人も多いですし、そのおかげで協力していただけることもたくさんあって。私にとってのホームタウンです。
これからの展望を聞かせてください
お客様と接するのが好きなので、毎日がとても楽しく過ぎています。そんな楽しい毎日の出会いのなかで、一人でも多くのお客様に博多運盛のお菓子を手に取っていただき、手にした方々に「運がやってきた!」と喜んでいただけるような、そんなお手伝いをずっとしていけたらいいなぁと思います。博多の皆様に「博多にはこんな小洒落たお菓子があるとよ〜」と自慢してもらえるようになれたら、幸せですね。